"Roots/vol.3"『複合創作ユニットwakka』ーーー皆様の生活の中、における「事件」になれるよう頑張ります。

佐藤佐吉演劇祭2022、参加団体のこれまでとこれからをお伺いし、できれば歴史をアーカイブしていくインタビュー企画"Roots"が始まっております!

今回は、3/24より初日の複合創作ユニットwakkaさんより、齊藤航希さんへのインタビュー配信の抜粋書き起こしです!


複合創作ユニットwakka https://wakkakamuy.wixsite.com/wakka


主宰齊藤が友達と何かするとき都合がいいようにつくられたユニット。コンセプトや方針は特に無い。主宰の好物に小説や詩(特にビート文学)、ポストコロニアリズム、信仰、無意識、故郷、20世紀などがある。

2020年春頃に「旗揚げ」とツイート。同年9月に第一回、12月に第二回公演を行う。今回で三回目。

友達は随時募集。



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大石:佐藤佐吉演劇祭2022、関連インタビュー企画Roots、第3弾ということで複合創作ユニットwakkaの齊藤さんにいらしていただいております。よろしくお願いします。

齊藤:よろしくお願いします。wakkaの齊藤です。

大石:さて、いったん自己紹介をしていただいてもよいでしょうか?

齊藤:はい。1997年生まれ。札幌市出身。早稲田大学で演劇をやっていて、卒業後には正社員として介護現場で働いている、wakkaの齊藤航希と申します。よろしくお願いします。

大石:早稲田はサークルはどちらでしたか?

齊藤:くるめるシアターですね。

大石:97年生まれなんですね。お若いですね。

齊藤:若い…若いとしましょうか。

大石:じゃあ私と比べたら相対的に。札幌出身なんですね。札幌だと結構小劇場ありますよね。

齊藤:そうですね。地方都市の中ではある方だろうと思います。



「クイズをやるつもりだったんですね」

大石:札幌ハムプロジェクトさん、という方がいるんですけど、バン1台で何か全国まわって演劇するみたいなのがあって。で、私自身、静岡なんですけど、何か静岡にその人が来てやってくれたのを見て、すげえ面白かったみたいな記憶があります。そんなこんなで演劇を始めたきっかけみたいなのをお伺いしていきたいなと思うんですけれども。

齊藤:演劇を始めたきっかけ…は、高校生クイズを見たことです。

大石:なるほど!?いつ見たんですか?

齊藤:もう中学の1年から、もう毎年観て夢中になってましたね。

大石:…高校生クイズを見たら、クイ研に入るのでは…!?

齊藤:僕はあの…クイズをやるつもりだったんですね。高校で。ほかはどうでもいいから、高校生クイズ出られたら、もう俺の高校生活これでいいやと思ってて…。
あると思って入ったんですけどクイズ研究会が。入った高校にクイズ研究会がないということになって、なるほど「これはいけないぞ」となったんですね。はい。
あんまり友達を作るのが得意な方ではなかったので、「どっかの部活に入って、人を引き抜いてさっさとやめちまおう」と。

大石:なるほど!それでクイズ研究会を作ってしまおうという

齊藤:そうです。で、僕は文系だったので、理系の人が結構いるやつはどこじゃろうなと思って、先々で聞いたら、あ、演劇部か。なるほど、演劇部入ろうと。

大石:はいはいはいはいはい。

齊藤:で、クイズ研究会を作ったんですけど、やっぱりやめなかったですね。

大石:クイズ研究会も作ったし、演劇部をやめなかったと。それはでもいいですね。いいとこ取りしたというか。

齊藤:そういうわけなんで、僕が演劇を始めたきっかけは、高校生クイズにハマったからです。

大石:すごい!高校生クイズは出てたんですか。

齊藤:はい。でも全国まではいかなかったですけど。

大石:そうなんですね。wakkaさんは複合創作ユニットって言って、ホームページのリレー小説とも書かれてるじゃないですか。だから何か演劇だけじゃなくて、そういう小説を書き始めたり、詩を書き始めたり、っていうことも齊藤さんの中であったと思うんですけど、それも高校生からですか。

齊藤:小説は中学生からですね。やっぱり学校があんまり好きじゃなかったし、気にいらないこととか嫌いな人とかいっぱいいたし、やっぱり自分一人で自分の世界を展開できるっていうので小説ってのはだいぶいい遊びになったなって。何やってもいいんで。よく気に入らない先生とか同級生とかを登場させて、ぶち殺したりとか。

大石:それは(笑) 詩も、同じような感じですか?

齊藤:詩は…なんで始めたのかなって…ちょっと覚えてないんですねあんまり。一つ今はこういうことかなって、を推測するなら、何かいい言葉が頭に浮かんだとき、に、小説にするよりも、詩が効果的だと思ったから…みたいな感じ…かなぁと。高校に入る頃には触れてはいましたね。

大石:じゃ、何か頭の中に言葉が、あることがあって、それを出すときにふさわしい方の形を選ぶみたいな感じでやられている?

齊藤:たぶんそうだろうと思います。

大石:その中で、自分の創作に影響を受けたものとか、好きなものとかってありますか。

齊藤ビート・ジェネレーションでしょうね。

大石:ビート・ジェネレーション。(検索して…)文学界で異彩を放ったグループ、あるいはその活動の総称。第二次世界大戦後のアメリカ合衆国で文学界で異彩を放ったグループ。

齊藤:高校2年の初め頃にハマって以降、未だに大好きで卒論をそれで書きましたね。

大石:どういった特徴があるんでしょうか?

齊藤:特徴は、ないんですよ。

大石:特徴はない。

齊藤:ビート・ジェネレーションというのもあれですね、こうなんか斜に構えた、イカしたやつらがいるぜっていうことで、当時のアメリカのジャーナルリズムが勝手にくくっただけなんですね。
本人たちは「うん?」ってなってて。一般的にビート・ジェネレーションだと言われてる人も「いや俺違う」って言ったりだとかそういう感じなので。あんまりグループで共通した特徴というものを持ってはなくて。ただ場所的な特徴はあるかもですね。ニューヨークとサンフランシスコで活動をしていたっていうだけで、受け取る人によって違う…

大石:(調べて)確かにニューヨークのアンダーグラウンド社会で生きる、非遵法の若者たちを総称する語。としてニューヨークタイムズ紙に掲載された、ってこれwikiですけど、なんか勝手に書かれたよみたいな感じがしますね。ビートジェネレーション…日本とか。別の小説であっても音楽とかでも何かありますか?自分に影響を受けたなというもの。

齊藤:音楽は本当に。大好きなんですけど、これっていうのではなく結構いろんなの聴くから、あんまりこれに影響を受けましたって言うより、全部に影響を受けてるって言いたいですね。でも、一番最初にでもハマったのは民族音楽ですかねね。

大石:お、ケルトとかですか。

齊藤:いや、アイヌ民族です。ムックリっていうのがありまして、もちろんムックリだけではないんですけど、一番ポピュラー…じゃないフェイマスですね、の、アイヌ民族の楽器があって、それにドハマリしましたね。公演で使ったこともありましたね。

大石:あ、自分で買って…。札幌だとそういう、楽器にアイヌの楽器に親しむことが多かったんですか?

齊藤:ないですね。小学校のときに郷土史を学ぶ時間、おまけ程度に多分カリキュラムに付いてるものがあって、まあごく稀なケースですけど、その時にハマったんですね。
その勢いでムックリを買い、練習をし、鳴らせるようになったという(笑)笛ではなくて、口琴って言うんですけど…えっと口にくわえて鳴らすっていうのが結構、いろんな民族であるんですけど、アイヌ民族の場合、ムックリがその口琴、と呼ばれるもので…(実際に鳴らしてもらう)聞こえてますかね?

大石:不思議な音色だ!倍音とか、不思議な機械感がありますね。

齊藤:結構独特ですね。


演劇を「やめる要素がない」


大石:その、1人で小説書かれたりとか楽器にハマったりとかっていうのがあったと思うんですよ。高校で演劇部入ってクイ研を作ったけど、演劇部辞めなかったわけじゃないですか。演劇って一人で作るっていうのと結構対極にある…何かメディアというか芸術だと思うんですけど、そこで一人で作るじゃない方向に目をむいたのはなんででしょう?

齊藤:別に僕は一人でいたい。とか一人になりたい。一人が好き。というわけではないので…自ずと何か一人になった、で、小説とかにハマったんですけど、その時だって僕はバレーボール部に入ってたし。

大石:なるほど

齊藤:特に何でしょうね、一人が好き。っていうわけでは演劇部においてもうん、そんなに困るようなことはなかったかな。っていうふうには思ってます。

大石:ありがとうございます。wakkaっていう団体についてちょっとずつ聞いていきたいんですけど、団体の歴史というか…教えていただいてもよいですか?

齊藤:2020年のある日、昔の公演に使ってたアカウントを引っ張り出して、名前を変えて旗揚げしますみたいなことを言い出して、旗揚げが終わったので…特に歴史も何もないですね。
人を募るのもいいのかなと思ったんですけど、別に1人で困るようなことがあるわけでもないし。1人でも2人でも3人でもいいかな、という状態で今まできてますね。だからあの「1人がいいんだ」というわけではないんですけど。1人でも今のところ問題がないですね。

大石:演劇を続けているのは、やっぱり何かしら演劇に魅力を感じたみたいな瞬間がありましたか?

齊藤:感じますね。やっぱり、なんでも使えるんだなというのが。やっぱり、何かをやってると、飽きる。っていうことがまぁあるのかなとか、マンネリ化するとか。
演劇は何でしょうね、いろんなところから要素を取ってきて、ごちゃごちゃにして出すっていうことができるので、そういった意味ではネタが尽きないなっていう。常に刺激があるし、あとはやっぱり千差万別でどれがいいとかっていうのがないですよね。バレーボールとかだと上手いのはこれだ、良いのはこれだ、とか…戦術もすごいいっぱいありますけど。だけどチームに合ってるのがこれだったら、大体それに固定化される。
けど、演劇っていうのは…いつも決まったメンバーな時もありますけど、決まっていないメンバー、あるいはどこの誰とも知らない人が混じって、
お互いの価値観だとか感性だとか、あるいはそれまで培ってきたものっていうのを1つの鍋にポイポイ入れる、それで、いつでも刺激があることがほぼ確約されてますし、実際ありますので、という点で、やめる要素がないですね。

大石:ありがとうございます。脚本の書き方について。って、今回結構ルーツでお伺いしていこうかなって思ってるんですけど。何か、箱書きとかプロットとか、そういう書き方ってやったりしてますか?
どういう風にに書き始めて書き終わりますか?

齊藤:そうですね、何かいいフレーズが頭に浮かんだらメモっておいてそっから広げたりとか、あるいはほかに浮かんだものと掛け合わせて作ったりとか、だいぶまとまりのない作り方はしてますね。
プロットをポンポンポンと書いて、間をガッチャンコガッチャンコってつなげる書き方をするときもあれば、場面一つの場面、一つのフレーズから話って広げることも。気分次第ですね。

大石:そのメモは、何かメモ帳みたいなのがあるんですかそれともアプリとか。

齊藤:スマホのメールの未送信ファイルに羅列してありますし、だいたいいつも胸ポケットにペンとメモ帳が入っているんで、「あっ」てなったときにはスマホかメモ帳を開けて書き込んで、いつか使うんだろうなみたいな感じですかね。

大石:脚本に行き詰まるみたいなことってあるんですか?

齊藤:行き詰まりを感じることはないですけど、止まることはないですかね、あまり締め切りとかは設けてない。
あ、行き詰まった!って感じではなく、止まった。じゃあいったんやめよう。かけるときに書けばいいや。って感じでやってますね。
あと、基本的に人を募集する前に脚本は完本させてます。

大石:素晴らしいですね。そりゃそうだよ、っていう感じかもしれないんですけど(笑)
では今回のお話についてを聞いていきたいなと思うんですけど、ざっくりどんな話かって言うところからお伺いしていきたいです。

齊藤:前に…チラシステージに投稿したものを…探しますね。酔っ払ってたかもな…。
はい。「言葉が直接エネルギーに変換される世界。自己と他者、時間と地点の氾濫にさらされながら生きる青年がたどる奇怪な道程を描いた物語。無数の意識の層と言霊たちがマウントを取り合う精神バトルロイヤル演劇」だそうです。


公演写真:Gregorius“面影”『人間賛歌』


大石:なるほど、バトルロイヤルしてますか。

齊藤:してますね。

大石:結構ポエトリーリーディング的な演出になるんですかね。そうなると。

齊藤:バトルロイヤルするとポエトリーリーディングなんですか?

大石:何か言葉で戦ってるのかなと思って。

齊藤:ラップバトルですかね?

大石:うーん、ラップバトルではなさそうだな、という印象は受けていて…

齊藤:でも詩は極端に暴力的でな側面のある表現方法だと思いますけど、で、実際今回もポエトリーリーディングと断言したくはない…けれどもそういった演出はあります。
前回公演と続いてそういうのがあるもんだから。そういう団体なのかっていうとたまたまなんですけど。

大石:でもそれでじゃあ団体をくくるのはちょっと違うわけですね。

齊藤:それだとちょっとやりにくいですね。たまたまです(笑)
お客さんとの接触がありであれば、また別の脚本ストックもあったんですけど、きっとダメなんだろうなって思ったんで…そっちにしたらあっまたポエトリーリーディングになった。という。

大石:あの、過去の台本を全部ちゃんと読み込んでいるわけじゃないんですけど、概念みたいな役名があったりするなと思っていて。えーっと血まみれの手の方でいうと、「自制的精神の先駆け」とか、あんまり登場人物が人間であることにはこだわらないみたいな感じですか。

齊藤:そうですね。あるいは実践的精神の先駆けが人間じゃないと考えたこともあまりないです、逆に言うと、そこに登場するグレゴリウスとかが、人間だ、と断言することもちょっとできないかな…。そうだな、せっかくだし。
えーと。やっぱりビート・ジェネレーションは雑多でまとまりがないって言ったんですけど、その中、でもウィリアムバロウズっていう人からは結構大きく影響が受けてるだろうなっていう風に思っていて、
ウィリアムバロウズは、あ、今回の3つある原案のひとつがバロウズの本なんですけど、
バロウズはナチュラルアウトローっていう。概念を…概念っていうか、論、を作ってまして。
それはやっぱり、「アウトロー」って言葉はありますよね。法律の外に…そんなのではなくて、自然法則から。破壊する。はみ出す。
例えば言論統制が敷かれている世界において。例えばそうだな、この前はたしかコロラドだったかな。(※フロリダでした)
LGBTに関する議論禁止っていうのが可決されたんですけど、

そこを例にとると、そこであえてLGBTの話題をポンポン出してイエーイってなるのがアウトローだとすると。
バロウズの言うナチュラルアウトローっていうのは、もうLGBTの概念から変えるあるいはもっと言うと。
もっと根柢的に死の概念からうん、さらに言うと、表象体系からぶち壊すっていう。
ところにだから。何でしょうね、正面に作られた土台の上でアウトローするのではなく、土台そのものをぶち壊す。という方法をナチュラルアウトローっていうふうに言ってるんですね。
で、なんでナチュラルアウトローの話したんでしたっけ…?

大石:人間じゃない、とか、

齊藤:ああそう、そこでやっぱりグレゴリウスっていう名前が付いているから人間だと思うのは浅はかであるし(※ナチュラルアウトローの視点であって齊藤の視点ではない)
精神って付いてるから人間じゃないとするのも、浅はか…浅はかって言ったら…

大石:どうぞどうぞどうぞ!大丈夫ですよ。全然大丈夫です!

齊藤:えっと…そうではなくて、だからこそ人間らしさを、これはもう道具的に一般的なモノとして、人間らしさであろうと思うものを精神にやらせたりだとか、あるいは不自然なことをグレゴリウスに担わせたりっていうような、普通に生きていそこのところのな…根底となる、認識の前提条件と反するものを、えーっと紛れ込ませた。結果あの概念が人みたいになってると大石さんは感じたんだろうと思います。戻ってきた。ああよかった。

大石:すごい笑。すみません。何かちょっといろいろ付け焼き刃でしゃべってるなと思ってます…!


「どう響くか、なので、よく響いてほしいなというのはあんまり。」


大石:今、ナチュラルアウトローの話もあったんですけど、何か演劇を作るときに、表現をするときに齊藤さんがなんだろうか見たいものとか、何かこれがやりたくてやってるとか、大切にしていることとか、もしくは気になっちゃうこと、何かそういうことを聞けばなと思うんですが。

齊藤:そうですね、まとまりのある話から言うと、気になっちゃうもの、は、言葉がいびつだったりとか。きっとこのセリフかっこいいと思って入れてるんだろうけど、
その人のリテラシー、他のセリフから推測されるリテラシーではおおよそ出てこないような言葉が出てきたりすると「あっ」てなるんですね。
決めゼリフで文語、古語的な表現を急にぶち込まれると、「急にどうした」ってなります。
あと2つありますね。一つがやたらと客席側を向いてくる。なんでお前はしゃべりかけてる人に左半身を向けているんだって。全身を向ければいいのにっていうのが気になって。お尻見せていいのになって思うんですけどね…あとは、最後、これは結構あのー日常系を描いてる…日常系という括り、僕したくないんですけど、今便宜的にするんですけど、
日常系を書いてる人が日常的なルールに反している時、っていうのが…
例えば日本を舞台にして。子供を引き取って育てたみたいなプロットがあるときに「それは法的にどうなんだろう」とか。
何か変な建物があって立ち退かなきゃみたいなことがあったときに「これは日照権で訴えれば勝てる」とか。

大石:何か余計な疑問を挟ませてくるような。

齊藤:そうですね。あの作るならもっと徹底的にボロが出ないように。僕の場合は、あのボロが出そうだなって思ったら、そのそこはもうその場面ごと使わないです。
演劇を見る時に、減点していく見方をすることもあって。そのに真っ先に減点されるのが、そこの作り込まれてなさ。ですね。それが今気になることで、
見たいものですかね。観たいものでいうと、僕は自分が。書いた言葉、あるいは頭に浮かんだものが、自分の外側で具現化されるのが見たい。
っていうのが見たいもの一つ目。そこにを僕じゃないものを入れてこられる、のが、見たいものの二つ目ですね。もう一つが、
もうちょっとさらに自分から一歩離れて他者を見たいっていう、この三つですかね。

役者と一緒にやるときに、守って欲しいことはカッチリ守ってほしい、というところはあるんですけど、
結構他のところは何されてもあんまり怒らない、面白くなっちゃう。テンションがあがっちゃうところがありますね。、
自分の中で完結していると見えないものっていうのもありますし、自分の中にあるものっていうのは自分の外に対する反発として醸成されるものだとしたら、
それがもう一回外に出して、どういうふうにまた…外界とか他者が答えてくれるのかっていうのは大いに興味がある。一番興味のある点はそれかもしれないです。
役者をやるにしても、自分が演出として、脚本として、舞台を自分の外に具現化するにしても、打診として演劇をしてるのかなっていうふうに思います。打診は「打つ」「診療」で。叩いて音を聞いて、「はぁ〜!」ってなるっていう。

大石:自分の音を外に出して、それがどう響くかを見る?

齊藤:そうなんですね。どう響くか、なので、よく響いてほしいなというのはあんまり。

大石:なるほど。響くのが聴きたい。だからいろんな観客に観てもらって、いろいろな響き方をしていることが、

齊藤:そうですね、それを見るのが楽しい。一回昔、まだ役者面会があったころですね。
劇場前でものすごいクレームを受けたことがあって、「こんなものを!」みたいな感じの「二度と演劇してほしくない!」みたいな言われて。超楽しかったですね。

大石:すっごい響いて帰ってきてますからね(笑)
最後に、今回の見どころを含めて、コメントをいただければと思うんですが!

齊藤:今回、すごく見やすいです。50分尺です。頑張って安くしてます。一般が1000円で、学生と未就学児が800円。
劇団スポーツさんの「怖え劇」を見て、その半券をお持ちいただいたら、一般の方も800円。

しかも4日間で1日3ステージずつに組んであるので。空き時間に来ていただける。50分ですけど、とても濃密な50分にしますので。
…そうなんですよ。ナチュラルアウトローという言葉をもう1回使うと、あのナチュラルアウトローな作用を観客の皆様にも与えられたらなって思います。無意識から破壊して…させていただけたらなと。
いいか悪いかはさておき、心に残る「観劇体験」って言うんですかね。それを800円、あるいは1000円。そして50分で12回、皆さんは体験できる機会があるので、どこかに来ていただければとても嬉しいです。
ぜひ「お楽しみに」ではなく、「ぜひご観劇ください」というよりも、ぜひちょっと、体験してみてください。
皆様の生活の中、における「事故」になれるよう頑張ります。(※「事件」と言えばよかったのに…と齊藤は悔やんでいる)

大石:すごいぐっときました…ありがとうございます!

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