"Roots/vol.1"『やみ・あがりシアター』ーーー結婚式に行くっていうことも、遠いところに旅に出るってこともなかなか、今経験しづらいから

佐藤佐吉演劇祭2022、参加団体のこれまでとこれからをお伺いし、

できれば歴史をアーカイブしていくインタビュー企画"Roots"が始まっております!

今回は、トップバッターの『やみ・あがりシアター』さんのインタビュー配信を、ブログ用に再編集!(配信はこちら!)https://youtu.be/PuVAAl0ClBs


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【やみ・あがりシアター】

2012年旗揚げ。脚本演出の笠浦と役者の加藤による劇団。「ヒトのやんでるところとあがってるところを両方、病気が治ったばかりのようなハイテンションでお届けしたい」というコンセプトのもとに芝居作りを行う。

【笠浦静花(写真左)】

1991年生。神奈川県出身。2012年大学在学中に、劇団「やみ・あがりシアター」を旗揚げ。以降、全ての作品の脚本演出をつとめる。ロジカルに構成された脚本と、思い切りのいいポップな演出が特徴。劇団作品のほか、舞台や映像に脚本提供多数。

佐藤佐吉賞において2017年と2021年に最優秀脚本賞、第29回池袋演劇祭にて豊島区観光協会賞、若手演出家コンクール2017優秀賞を受賞。近年は若年層向けの活動も積極的に行い、小学生や中高生向けに演劇ワークショップの講師をつとめる。

【加藤睦望(写真右)】

1991年生、愛知県出身。やみ・あがりシアター劇団員。

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大石:じゃあ、ちょっとお待ちください。あ、今待機中二名、待機中10名いらっしゃってますね。よいしょ、それでは配信が開始されました。夜ですが、おはようございまーす。

清水:おはようございます。

大石;王子小劇場佐藤佐吉演劇祭2022の参加団体インタビュー企画〈Roots〉ということで、今回は第一弾やみ・あがりシアターさんにいらっしゃっていただいております。よろしくおねがいします。

笠浦:よろしくおねがいしまーす。

大石:俳優から清水さんにいらっしゃっていただいておりまして声だけの参加で加藤さんにいらっしゃっていただいております。

加藤:おねがいします。


大石:まずは、MITAKA Next selection 選出おめでとうございます。

笠浦:ありがとうございます。

大石:今日Twitterで知るなどしました。オーディションがあるんですね

笠浦:オーディション兼告知になってますね。

大石:えーじゃあですねこれ〈Roots〉っていうのが、まずは作演さんに、とか作演さんと団体さんのことをちょっと根掘り葉掘り聞いてですねこれは最終的にもう団体のアーカイブになればいいんじゃないかぐらいいろいろお伺いできればなと、そういうことで〈Roots〉と名付けさせていただいております。ので、さっそくいろいろお伺いしていきたいと思います。とりあえずいったん自己紹介をお願いできればなと思います。

笠浦:やみ・あがりシアターの笠浦です、主宰をやっております。

大石:よろしくお願いします。

笠浦:よろしくお願いします。

清水:わたしあの出演者の清水といいますよろしくお願いします。

大石:よろしくお願いします、このQRコードから予約ができます。

清水:違うQRコードでしたので今変えます。(注:Zoom背景にQRコードがありました)


「成長が遅い子供だったので」

大石:さてじゃあさっそくですね、いったんまず笠浦さんの、あの演劇を始めたきっかけとかをお伺いできればなと思っているんですけど。

笠浦:わたし多分ずっと演劇部だったんですよ中高と

大石:あ、中学から

笠浦:中高もそうだし小学校の頃もなんだろう演劇クラブ的なものをやってたから…なんかあの高学年の子たちのなんか合唱クラブとかなんかそういうノリのものがあって、演劇クラブやってました

大石:その小学校の演劇クラブに入ったのはなんで、とかありますか

笠浦:あでも、まずっとやってたんですけど、でも実質多分小学校の三年生のときの学芸会的なもので、演劇をやるようになったんじゃないかと思っております。

なんか、わたしすごい言葉が出るのが遅い子どもで、ほぼほぼ喋れなかったんですよね、なにも

大石:三年生、でも?

笠浦:そう。小1小2くらいの頃ほんとに言葉が出なくて。多分文字とかも全然覚えられなかったから結構いろいろ問題のある子供で、あのー、それが学芸会のセリフを覚えるのでちょっといろいろ言葉が出始めて、「これはやらねば」ってなったんじゃなかったかなあって思ってます。

大石:めちゃめちゃ意外ですね。笠浦さんと言えば才女みたいなイメージがあるんですけど

笠浦:いや私すごい成長遅い子供だったから、周りは心配したと思います笑

大石:なるほど、いやすごいな。あ、宮野風紗音さん「こんばんは!MITAKA Next selectionもおめでとうございます!」といただいております。

笠浦:宮野さーんありがとう見てくれてる嬉しい。


必要に迫られたので

大石:それはだから俳優から始めたってことですよね。それが脚本演出になったきっかけみたいなのってあるんですか。

笠浦:でも言うたら書き始めたのすごい遅くて、大学の二年生の時、それもなんか必要に迫られて

大石:なんかサークルとかの作演がみたいなことですか

笠浦:そうですそうです。演劇サークルで誰かは書かなきゃいけないみたいな、そういうことでしかなかったですね。

大石:あ、その学年の中でっていう

笠浦:そうですそうです。

大石:じゃあその学内公演がきっかけで書き始めた、なるほど、ちなみにそのいっちばん最初のやつってどんな話を書いたんですか。人生で一番最初に書いた脚本

笠浦:人生で一番最初に書いたのはえっと…あれなんですよ。サークルの中で、一年生を教育するために、班に分かれて、三班くらいであのちっちゃい公演を打たなきゃいけないみたいな。

…30分くらいのやつでえっと…トマトときゅうりが…戦う、みたいな話。

大石:笑

笠浦:笑

清水:トマトときゅうりが戦う

大石:公開してほしいー

笠浦:わたしタイトル覚えてる、「野菜の味方」っていうの、

大石:野菜の味方

笠浦:ヒーローもの

大石:へえー、あっ加藤さんから「見たよ面白かったよ」って、あ、いまですね俳優さんの方はzoomでもコメントいただいてますんで、面白かったらしいですよ。

笠浦:そうその時は加藤さんと、えと同じ大学の界隈の、別のサークルにいたので、加藤さんが純粋にお客さんとして観に来てくれてたんですね。その時はまず加藤さんと共演したことも一度もなかったし、あの、同じ座組になったこともなかったみたいな関係性でした。

大石:あ、でそれで偶然見たと

笠浦:そうですね。


いい役者だなと思ってた

大石:なるほど、その流れで、その団体の成り立ちというか、なんかその違うサークルの二人がどうやって出会ったか、二人が出会ってからのことを聞きたいなと思うんですけど、どんな感じだったんですか。

笠浦:…加藤さんとやりたいなあとは思ってたんですけど、なかなかえとそういった機会がなくて、あの役者同士だと同時に誘われないと出来ないじゃないですか。

大石:はいはいはいはいなるほど。

笠浦:で、えーと自分でやればいいのではというのもあり、えーとまあいろんな人に乗せられたのもあり、結局自分でやみ・あがりシアターをやろうって思って、その頃はえと学生劇団の一部として学生のユニットとしてみたいなかんじでやって、旗揚げの時に加藤を誘って、で初めて一緒にやって、で、なんだかんだ今もそう、みたいな。

大石:「トマトときゅうりヒーローもの気になります!」ってコメントもらってまーす。いつか公開してもいいのでは笑

笠浦:残ってるかなーー

清水:どんなストーリーなんですか

笠浦:あでも、めちゃくちゃウケた。記憶はある。

大石:観たい、単純に観たいっすね。

笠浦:茄子とカボチャが出てきたかな、四人芝居。

大石:加藤さんを誘おうと思ったのはそれは、それも芝居観てから。みたいな。

笠浦:そうですね、そう。いい役者だなあと、おもった、いい役者だなあって思ってました。なんだろうなあ、二十歳(はたち)くらいの時って、あの直接喋れる演劇の知り合いなんてすごく少ないじゃないですか。ずっと続けてる、く、ってことで考えて、誰かひとりって選ぶんだったらもう、加藤だなあとは思ってました。

清水:いい話

笠浦:そんなに上手くはなかったと思うんですよ当時。

なんだろうなあ、結局持って生まれたものって変わらないから、ビジュアルだったり声だったり、なんだろ、素質?みたいなものでえーと持ってるものが一番いいんじゃないかなってその時思ったは思いましたね。

大石:それでいい役者だなと思った

笠浦:うん、いい役者だと、おもってた。


“RADWIMPSです。”

大石:なんかその、今の自分を形作ったものというか、なんか影響を受けたものとかってありますか。

笠浦:RADWINPSです。

大石:RADWINPS!それはどのくらいマジ?ですか?

笠浦:すごい音楽好きだからなかなかひとつは挙げられないけど。でもRADは、私が高校生の時にメジャーデビューしたんですよ。わたしはメジャーにいかないときから、ファーストから買ってたんですよアルバムを

大石:おかずのごはんですか

笠浦:そーす、ああ、おかずのごはんが四枚目、とかです。ほんとにRADWINPSの1(いち)から買ってたの

大石:へえー!

笠浦:だから、すごい嬉しかったし、なんか青春ど真ん中はそこだったなーって、おもった。

大石:なるほどお、どんな高校生だったんですか。

笠浦:放送部の、高校生でした。

大石:放送部だったんだ!

笠浦:放送部であり、演劇部でもあったんですけど、あの、演劇部は一人でやってたから。多分みんな婉曲表現として放送部って認識してくれてた、演劇部って直接認識するのは怖かったとおもう。

大石:笑 あ、演劇部を作り、出した人?

笠浦:ううん、たまたま一人になった。あの入った瞬間に先輩が引退するタイミングだった。

清水:ええー

大石:うわあー、それはじゃあなんかあれですか?野球大会にサッカー部呼ぶみたいな感じで別の部活から俳優呼んできてみたいな。

笠浦:そうですそうです、

大石:どんな演目をやったんすか高校のときは

笠浦:あ、でもなんか自分で書こうって思ってたことは一回もないので、なんかいろいろ本を探してきて、一緒にやって、なんか学校内で発表会出来ればそれで、とても満足、してました。高橋いさおとか。今でも好きですわかりやすいし、わかりにくい部分もいい本だと思って

大石:うんうんうん、確かに、素敵ですよね。うちの高校の部活にもあの、本、たくさん置いてありました。…笠浦さん、なんかじゃあ帰りにはTSUTAYAに行くみたいな、高校生活

笠浦:めっちゃTSUTAYA行ってたー!行ってました。

大石:笑 TSUTAYA行って新譜を探しつつ放送部で好きな曲をかけるみたいなことですか。

笠浦:そうあの、当時があのipod nanoとかの

大石:うわ!!!

笠浦:中高生活を送って

大石:iPod nano持ってましたよ。

笠浦:だからCDをレンタルしてi Tunesに入れて、あのいっぱいプレイリストを増やしてくみたいな、なんか、初めての世代。

大石:やった

笠浦:そう

大石:TSUTAYAの中古CDめっちゃ買ってたんですよ。

笠浦:あーー

大石:175ライダーとかのやつ

笠浦:175ライダーね笑

大石:175ライダーのやつとか、あとアンダーグラフのやつとか

笠浦:アンダーグラフね笑 あの私が2007年の高校入学でその時がえーと初音ミクの発売年(ねん)だから

そう、このへんもドンピシャの世代で、えっと初めてなんかボカロを聴くみたいな、ことが起こった世代でもあるから、あの、ハチ。ボカロPの(?)ハチがやっぱすごい、すごい才能あるなと思ってて後(のち)に米津玄師となり、のちに同い年であるとわかるみたいな。

大石:あーなるほど。あの頃だとだから、メルトとかそういう時代ですよね。

笠浦:そうそうそう時代的には。そう。

大石:あと、ニコニコ…協奏曲…

笠浦:そうそう組曲とか

大石:組曲だ。ニコニコ組曲とか。なるほどすごい、ちょっと世代トークになっちゃった。あの、なんか笠浦さんよく本読んでるイメージあるんですけど。小説とかなんか文学とか好きなイメージあるんですけど。高校からそういう文学とか小説は読んでたんですか。

笠浦:私結構読書家でした。ほんとに、なんだろうな、学生時代だと図書館にも行きやすいのでずっと本は読んでました。

高校時代に、えっと、ドストエフスキーにドはまりして、そのままロシア語を学べる大学を探して進学みたいな

大石:ほおお、確かに、なんかロシア文学好きなイメージありますね。

笠浦:チェーホフの全集持ってますよ、今。この、狭い…六畳一間に、全16巻ある。

清水:ええ

大石:全集って、えらい、えらい重いんじゃないですか。

大石:笑 六畳一間に住んでてそして16巻持ってる。あ、「君と羊と青が好きです!」スタジオ小鳥ひありさんからいただいてます。君と羊と青

笠浦:なんかサッカーかなんかのテーマになってたのかな

大石:あーテーマ曲

笠浦:わたしすごい歌下手だから今歌って見せれないんですけど、メロディーはわかってます。

大石:笑

笠浦:わたし、歌下手じゃなかったら絶対音楽の道に行きたかったです。

大石:バンドとか楽器とかがっていうことは考えなかったんですか。

笠浦:リズム感もないんですよ

大石:笑 そうなんだ

笠浦:ほんとにずっと音楽聴いてるくらい好きだったのに、ほんとに何もうまくならないから、し、出来なかったから

大石:うんうんうん

笠浦:でも、あと本が好きだったから文学のほうに行ったって感じですかね。

大石:なるほど。じゃあ、その本の流れで、脚本についてちょっとお伺いしていこうかなと思ってまして、ま笠浦さんの演出家でも脚本家でも賞を取ってるなと思うんですけど、特に脚本が褒められるところが多々あるんじゃないかなあと、わたしは、評判を聞いてて感じておりまして。で、例えば、まずこれ同じ脚本家としての聞き方なんですけど、プロットとか、箱書きとか、なんか、あるじゃないすか。どういうふうに書き進めていくんですか。

笠浦:プロットも箱書きも書かないです。

大石:それはずっとそう?

笠浦:ずっとそう、なんか、メモみたいなもの、はあるけど、そういう書き方ではないって思う

大石:なるほど。で、できたところから渡していく。

笠浦:そう。あの、ほんとに、綺麗に行き詰ります。

三人:笑

大石:それはその、頭ん中で、ある程度は組み立ってる状態から始めるみたいなことですか

笠浦:ストーリーは組みあがってない。

大石:ない…。なんか俺、昔笠浦さんプレイリスト決めてから脚本書くって聞いたんですけど。

笠浦:そう。あの、次の曲は決まってる、

清水:曲は決まってる…

笠浦:決まってます。

大石:なるほど。

笠浦:だから次、どうなってどうなりたいって曲の流れはあります。が、なぜそうなるのかは知らないので。

大石:まずプレイリストを作りーの、曲の流れに、えと、それは別に本番で流れるわけじゃないけど自分の中では流れて、それに合わせて脚本が進んでいき、その先はまだ見えてない、みたいなこと

笠浦:芝居に関しては、頭の中にあるプレイリストはすべて実際に流しています。使用曲を流すかどうかで言えば、流さないこともあります。

大石:うんうん

笠浦:この曲行ってこの曲行ってこの曲行ってのこの曲は、えーとセリフ上、曲がなくても抜けるって思ったら抜けるな、みたいな、ことはあります。

大石:それはやっぱ、音楽から、音楽が好きだったみたいなかんじで?なんでしょう。それはどう、いつ生まれたんですかその書き方は最初から?

笠浦:多分最初から、です。

大石:宮野さんも、コメントしてくれてますね「うち(かるがも団地)の藤田君が笠浦さんがどういう風に書いているのか(書き直したりしないのか)気になっていました!プロット書かないんですね!衝撃!」。書き直しはどれぐらい入るんですか?

笠浦:やばい入るので役者は大変だと思います。

清水:最近毎回書き換わってます。

大石:稽古で毎回書き換わるタイプだ。

笠浦:印刷代がえぐいタイプ。

大石:ああーああ、わかります。わかりますってかんじ。なんかちょこちょこ直すから全部刷りなおすみたいなことも起きるって感じですかね。

笠浦・清水:(頷く)

大石:なるほど。清水さんが大きくうなずいております笑

清水:ほんとに、毎回丁寧に印刷しなおしてきてくださるから大変だろうなと思ってて。

笠浦:齟齬が生まれるんですよ印刷しないと。メモをさせるとすごい限界があるじゃないですか。

大石:わかりますわかります。あの差し替えもちょっと、稽古の時間を奪っちゃうもんね。だったらもう頭から書き換えた方が早いんですよね。

清水:笠浦さん毎回コンビニのコピー使ってますよね。そんなことないすか。

笠浦:割と使ってる。なぜコンビニコピーになるかって、あと30分ですべて持っていかなければいけないから。

大石:わかりますよ、たびたび行き詰るって聞きましたが、行き詰ったときどうしてますか。

笠浦:あきらめる。

大石:なるほど、具体的には?

笠浦:いやでも、行き詰っていたとき、それをどうやって打破したのかって自分でも分からなくないでしょうか。

大石:なんか、意識的に、脚本以外のことをしようってするかもしれないですね。でも、たしかに何がきっかけかだったかは覚えてないかもしれない。

笠浦:なんか

大石:うん

笠浦:寝た方がいいじゃないですか、もう。

大石:寝た方がいいですね、確かに。

笠浦:けど、寝れるかって言うと。そういうわけでもないじゃないですか。

大石:ないですね。あの、無駄な時間というものが存在しますよね。

笠浦:この二時間、ただ何もしなかったことを考えれば絶対に寝た方がよかったなって思うじゃないですか。

大石:いやあその通りですね。

笠浦:結局、あのこれは役者に言うとすごい反感を買うのかもしれないんですけど、書けるっていう自体がこれは事故であって、書けないって自体があの通常運転なんですよ。

大石・清水:笑

笠浦:なんか事故って書けるわけだから。事故が起こるのを待つしかないんですよ。


(ここで出演者の市川さんが入場します)

大石:市川さん、出演者の市川さんがいらっしゃっていただいております。

えっとコメントいただいてます「笠浦さんはすごいたくさん取材をするって聞いたことがあるんですけどマリーバードランドはどんなふうに書いてってるんですか?」取材について、確かにお伺いしたいですね。

笠浦:あと、今回に関しては南極旅行の会社の社長さんにインタビューをしました。

大石:なんか毎回なんかアクセサリーの話をしたときになんかめちゃめちゃじゃらじゃらアクセサリーするとか、この週だけ宗教変えるみたいなこととかあったなって思うんですけど、

笠浦:そうですね、いろんなことをやって恥の多い人生を過ごしてきました。なんだろう、えーとベジタリアンになってみたりとか、そういうことを繰り返してましたねあと、メガシャキとドリエルを同時に飲んでどっちが効くか、とか、そういうことばかりやってきた。

大石:笑 なんか結構、生活までを一変させて本を書くみたいなイメージがあるんですけど、そんなかんじですか。

笠浦:そうですね、今回に関してはほんとに取材っていう意味では、お話を聞いたり本を読んだりだとか、まあそういうことをやるし、えっとそういうわけじゃなくて、気持ちづくりっていう面では家で氷を握ったりしています。

清水:知らなかった…。

大石:あの宗教変えてるときとか、ありましたよね?

笠浦:ありました。モスクとかに行ってた時代の話でしょ。

大石:なんか今、なんとか教だからモスクに行ったりとか、今なんかあのちょっと祈ってるとか、なんかそういう話があった気がするなと思って。

笠浦:あ、あのとてもタイムリーな話で、うちあの、今回劇団が10周年で初めて再演企画をやらしていただきまして。

大石:はいはいはい

笠浦:あのー、再演を初めてやるけど何がいいと思うかっていうアンケートで一位だったのが「すずめのなみだだん!」なので今年中にやるんですけどそれの時ですね。

宗教が変わるってほどのことではなかったですよ、あのー、入信には結構ハードルがどこもあるので。あのなんか真似事みたいなことを教えてもらってきたんですよ、ほんとの入信は結構どの宗教も難しいんですよ。一定のハードルはある。

大石:「氷を握るのは南極の寒さを感じるために、みたいなことですか?」ていうコメントが来てますが

笠浦:握ってられないということが分かります。

大石:ありがとうございます。

笠浦:笑

清水:いいんすか笑

大石:そしたらですね、そろそろ今回の話に行きたいなと、今回の、今回南極で結婚する話っていう風にお伺いしてるんですけど、そもそも南極の話とかを書こうみたいな着想っていうのはどこで生まれたんですか?

笠浦:南極、の話を書こう、という、形が一番最初のモチベーションかっていうとそういう訳ではないです。

大石:ふーん、最初はじゃあ

笠浦:「マリーバードランド」の語感。

マリーバードランドとは、えーと南極というのはそもそもどこの国にも属していないんですけど、それは南極条約で決まってることなんですけど、えっと一応、この地域は、どの国が領有を主張してるっていうのはそれぞれあるんですよ、ここはニュージーランドとか、ここはアルゼンチンとか、管理を主張してますよっていうのはあるんですけど南極のうちマリーバードランドだけどこにも領有権を主張されていない。こういう地っていうのはこの南極とあとアフリカの一部にしかないんですね。

という特別な場所がマリーバードランドです。

大石:めっちゃいいですね。どんな話、なんですか、話せる範囲で。あ、俳優さんもちょこちょこお喋りしていただいても全然大丈夫でございます。

市川:どんな話、難しいなあ…でもなんか、あの人とあの人がこうなって、みたいな、結婚式がもう、挙がるっていうのはわかってるんですけど

大石:うんうんうん

市川:まさかこんなことがみたいな。でも、どうだろう、なんか自分の役的にはもうちょっとなんか言えないことが多すぎてでも、ほんとに今稽古しててほんとに楽しいんで、なんか久しぶりにグッと来てます。

大石:なるほど、このやみ・あがりシアターのどういうところが楽しいですか。

市川:なんかやっぱり脚本もすごいやっぱりその面白いんですけど、うーんやっぱそれをなんか引き出せる役者の力もすごいし、笠浦さんがやっぱりそのキャスティングもなんか、まあ当て書きかどうかはわかんないんですけど、なんかその役者のすごい良いところを出せてんじゃないかなってすごい思いました今回。

大石:確かに、やみ・あがりさんは出てる俳優がすごい魅力的に見えますよね。ちなみに、笠浦さんどういう演出方法というか、なんか、ちょっと思い出に残ってるダメ出しとかありますか?

市川:あたいもはっきり言ってもらってるときも多いんですけど、なんか人のダメ出し聞いてるとなんか、みんな「はい」っていうけどちゃんとわかってんのかなあっていう時がある。すごいなあって思う時がある。

笠浦:あでも、わたしも、わかります。あの自分で演出をつけながら、なんで「はい」って言われてんのかなって思う時はあります。

市川:そう笑

笠浦:あれでしょ「ニュアンスとしての碇ゲンドウ」とかそれ、でしょ。

市川:そうそうそうそうですそうです。

笠浦:碇ゲンドウやってはいけないけどニュアンスとしては碇ゲンドウです、みたいな、やつ、に何故か「はい」って答える役者。

市川:結構みんな「はい」ってすぐちゃんと「はい」って言って、ね、すぐできるから、すごいなとおもって笑

笠浦:よく出て来ますよね、「ニュアンスとしての碇ゲンドウ」

大石:へえー、あ、「笠浦さんのダメ出しはロジカルで分かりやすいです~」ってコメントいただいてますね。

市川:誰が言ってんですかねえ。

大石:えーと、日野さん。

笠浦:日野―、あ、日野あかりさん絶対観に来てほしいですね。あ、出演者なんですけどうちの。

清水:日野あかりさん「を」観に来てほしいっていう。


結婚式の話なので、華やかさはすごいと思う

笠浦:「を」観に。あの今回結婚式の話なので、単純にみんな衣装がすごい、頑張ってるんですよ。

大石:なんか俳優のファンの方も、楽しみにできるポイントじゃないですか?

笠浦:華やかさはすごいと思う。

大石:今回はあの、佐藤佐吉祭ということで、北とぴあのペガサスホールっていうところでやる予定なんですけど、ペガサスホールって結構広い感じの空間じゃないですか、でなんかこう、何もしなかったら会議室みたいな、なんかどういう風に使う予定とかってあるんですか。あ、言える範囲でですけど。あとは、ペガサスホールどうですか?っていうかんじかな。

笠浦:ペガサスホールって言われてなかなかぱっとイメージできる方が少ないかもしれないんですけど、今回逆使いなんですよ。

大石:逆使い。えと、窓の方に、椅子がある?

笠浦:そうです。

大石:はいはい。あの、ビルなんですけど、ビルというか北とぴあっていう王子のでっかいビルがあって、それのあの、一面窓に面している、会議室、みたいなのが、あのペガサスホールなんですね。大体そっちの方にパネルを置いて、であの、うーんビルの内部、廊下の方に客席を置く、ということが多いんですけど、そっち側の窓の方に客席を置くってことは、扉を使う状態みたいなことなのかな。

笠浦:そうです。

大石:廊下に至る扉が二個、三個くらいあって、多分そこを出ハケにする、みたいなことなんですね。

笠浦:おっしゃる通りです。

大石:おおー。

笠浦:なのでちょっと困って…いろいろ調整が必要なことも多いんですけどちょっと新鮮な使い方ができるんじゃないかなと思ってます。

大石:うんうん

笠浦:広さはすごく、感じています。ただ、けっこう暴れる芝居でもあるので、ちょっとこれくらいの広さは必要だなあみたいなところもあります。なんか稽古場でなかなかバミリきるのが難しくて、自分の居場所がない、ずっと立ってる。

大石:ずっと立ってる。

笠浦:舞台上の人があまり今来ないかなっていうところにいる。稽古場の部屋が全部バミリで潰れてしまうから舞台上に自分自身もいるしかない。

清水:隅っこの方で演出されてるときとかたまにあります。

笠浦:そう、こんなところに客は入らないのに。あと、舞台上で油断してると役者に轢かれる。

笠浦:あの川上献身さんに轢かれそうになることがよくある。

大石:おおー。

市川:たしかに。

大石:川上献身さんがだからいないところのポジションを狙いに行ってるのかなあ。

笠浦:川上献身さんの動きがあの

清水:結構あっちこっち行ってる

笠浦:轢かれやすい動き。

大石:笑 そんなに動く。あ、これってペガサスホールを結婚式場として、なんだろ、ほとんど素で使うみたいな、そういうことになるんですかね。

笠浦:一応仕込みますよ。でもペガサスホールはすごくあの、ペガサスホール自体というか、あのロビーの感じとかも、あのすごく、そういうモノっぽいのでありがたいというか、イメージに合ってると思ってます。


大石:そろそろ。終わりに向かおうかなと思っております。笠浦さんから今回の見どころみたいなのを、お伺いできればなと思うんですけれども。

笠浦:そうですね、佐吉祭のえっと、最初の週ということでぶち上げていきたいなという風に思っています。作品としては、うんと…うーん…、結婚式に行くっていうことも、遠いところに旅に出るってこともなかなか、今経験しづらいから、

旅に出た時の気持ちだったり、結婚式に出た時の気持ちだったりっていうのを、なんか、必ずしもなんか、ハッピーな時じゃなくても…なってもらいたいというか、なんか、体験をしていただきたいというふうに思っています。


大石:ありがとうございます。やみ・あがりシアターさんの「マリーバードランド」は3月17日から北とぴあペガサスホールにて佐藤佐吉演劇祭2022、最初の週ですね、ぶち上げていただくことになりますので、ぜひぜひご予約いただければと思います。

笠浦:はいたくさん来てほしいです、よろしくお願いします

清水:お願いします

市川:お願いします

大石:遅い時間までほんとにありがとうございました。

四人:ありがとうございましたー。


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