第8回寄稿 オドルニク「皆さまこんにちは」

           佐藤佐吉演劇祭2022の関連企画として開催される『見本市』

活動最初期にあたる9団体を選出し、ショーケース型の公演を行います
【公演詳細】
佐藤佐吉演劇祭2022 関連企画 ショーケース公演「見本市」
2022年4月7日(木)ー10日(日)@北とぴあ カナリアホール

みなさん、はじめまして。窓口担当の平井です
見本市の"カタログ"をつくるべく、インタビュー企画に続いて"団体からの寄稿"を集めました
今度は彼彼女ら自身の"言葉"に耳を澄ませてみてください✨ 
「見本市カタログをつくろう」第8回目の寄稿はオドルニクさんからお寄せいただきました



 皆さまこんにちは、こんばんは、オドルニクの中西です。 
 皆さん、「運」って信じますか?今日の運勢とか、今年の運勢とか。僕は盲目的に信じるわ
けではないですが、お芝居の公演期間だけは信じています。なぜなら公演前になると良くな
いことがめちゃくちゃ起こるからです。めーちゃくちゃ起こるんです、良くないことが。良
くないっていうか、最悪っていうか。「これ本番できんのか?」って不安になっちゃうレベ
ルで。って思ったら本番は意外と何事もなく終えられるんですよね。悪いことがあったらそ
の分良いことがある、「運の総量は一定」っていうのは当たってるのかもしれません。 
 ということで今回は、実録!本番前の悲劇!ベスト3を発表いたします! 
 ※上演作品「夜の踊り方」とは一切関係ございませんのでご了承ください。 
 

第3位「お財布ぶちまけ事件」 

 大学4年、本番2週間ほど前、友達と飲み歩いていた時の話です。かなり酔っていて記憶
がなく、次の日になって気づいたのですが、どうやら僕はどこかで財布の中身をぶちまけて
しまったらしい。 
 お金はある。いつまでーも入れてるいつかの公演のチケットなんかもある。捨てるのがめん
どいだけのレシートもある。ではなぜぶちまけたと気づいたのか。“あれ”だけがない。そ
う、中学高校の頃に撮ったプリクラだけがありませんでした。 
 自分で見るのも恥ずかしい、ひと様には絶対に見せられない、でもたまに見て「こんな時期
もあったな」ってなるあのプリクラだけをぶちまけてしまったらしい。第二次成長期の中西
一斗君が飲み屋街の道端に転がり、酔っぱらったおじ様方に精一杯カッコつけた顔を晒し
ている。恥ずかしい。恥ずかしすぎて顔から血が出ました。公演はうまくいきました。 

第2位「ウルトラの母事件」 

 高校2年の夏休み。部活へ向かう時の話です。地区大会目前。部員の士気は高い。遅刻はで
きない。が、遅刻寸前、一刻を争う。チャリ、爆走。ノーブレーキで坂道を下る。下りきっ
た先は急カーブ。コーナーを攻める。さながらバイクレーサーのような身のこなし。転倒。
心配そうに見つめる通行人。心配させまいと立ち上がる僕。そこで目の前が真っ暗になった。 
文字通り、目の前が真っ暗になったんです。一瞬意識が飛んだみたいで、気がつくと、立ち
上がった場所から数メートル離れた道のど真ん中で女の子座りをしていました。 
 心優しい女性が声をかけてくれました。「大丈夫?救急車呼ぶ?」いや、それはまずい。遅
刻する。なんとか首を横にふる僕。あれ、そういえばうまく声が出せない。さすがにちょっ
とやばいかもと思い始めたところで心優しい女性はさらに声をかけてくれました。「ほんと
に?じゃあ親御さんに連絡しようか?」申し訳ない、ちょっとお願いしちゃおう。あれ、ポ
ケットの携帯が出せない。指先の感覚がおかしい。「貸して!」心優しい女性が携帯を取り
出してくれる。「お母さんに電話かけるよ!」ぎこちなくうなずく。母親の連絡先を探す心
優しい女性。あ、そういえば。 
 僕、家族の連絡先をウルトラマンシリーズで登録してまして、家の固定電話を M78 星雲、
父の携帯をウルトラの父、母の携帯をウルトラの母で登録してまして、、、。心優しい女性は
叫びました。「ウルトラの母!?ウルトラの母!?」ウルトラの母を連呼する女性、女の子
座りでうなずく僕、そりゃあ通りすがりの中学生も笑うでしょう。恥ずかしい。再び意識が
飛びそうでした。数分後、無事母到着。そのまま病院に連行。命に別状はなく、遅刻しまし
た。ありがとう、心優しい女性。県大会出場が決まりました。 
 

第1位「車に轢かれるの巻」 

 本番1週間前、稽古場に向かう途中、車に轢かれました。僕、無傷。自転車、重症。 
 全国大会出場が決まりました。 
 
 
 ということで、最後までお付き合いいただきありがとうございました。もう一度言いますが、
 上演作品の本編には一切関係ございません。ただただ僕が書きたかったことを書かせてい
ただきました。旅立ったプリクラも心優しい女性も重症自転車も報われたことでしょう。あ
りがとうございました。 
 上演作品「夜の踊り方」もただただオドルニクがやりたいことを詰め込んだ作品です。多少
お見苦しいところもあるかもしれませんが、熱量だけは保証します。過度な期待はせず、生
暖かい目で見守ってください。宜しくお願いします。 
 

◎作品情報◎

オドルニク「夜の踊り方」

~あらすじ~
旅行先の鍾乳洞に閉じ込められてしまった3人組。そこで彼らを待ち受けるものとは…男たちの運命やいかに…!!

~作・演出~
中西一斗

~出演者~
田中優真(仲間護)
玉木葉輔(常長翔)
中西一斗(相田保)
田和匠(タワー)
澤井一希(パワー)
方波見瑠璃子(ウワバミ姫)

~参加チーム・タイムテーブル~
Aチーム
2022年4月
 7日(木)15:00
 9日(土)19:00
10日(日)12:00※
※終演後にアフタートーク有(約20分予定)

受付は開演の30分前。開場は20分前。
上演時間は約100分予定(1団体につき約30分の上演)。

◎以上◎

次回は明日、南極ゴジラからの寄稿です。次回もまたお会いしましょう!

 過去の記事はコチラよりご高覧いただけます。 

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