第2回ゲスト:作井麻衣子さん(海ねこ症候群 主宰)「演劇を観たことがない人も楽しめたらいいな、そして観たものがいつか深い意味になったらいいな」 聞き手:平井寛人(尾鳥ひあり)

佐藤佐吉演劇祭2022の関連企画として開催される『見本市』
活動最初期にあたる9団体を選出し、ショーケース型の公演を行います
【公演詳細】
佐藤佐吉演劇祭2022 関連企画 ショーケース公演「見本市」
2022年4月7日(木)ー10日(日)@北とぴあ カナリアホール

みなさん、はじめまして。インタビュアーの平井です
見本市の"カタログ"をつくろうと始まった、このインタビュー企画
未知の存在ーーUMA(ウルトラ・ミラクル・あたらしい)でもある、なんともキュートで愛くるしい彼彼女らの"これまで”と"これから"を聞き出してきました
ここでしか聞けないような話も目白押しなんです。ぜひ最後まで見ていってください!
「見本市カタログをつくろう」第2回目のゲストは海ねこ症候群主宰の作井麻衣子さんです



●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

【ゲストプロフィール】

作井麻衣子 https://uminekoshoukougun.wixsite.com/uminekosynd/01

1995年11月7日生まれ。石川県出身。幼少期より地元劇団で活動。上京は「資格を取れる大学へ進学が条件」と両親に説得され、武蔵野大学看護学部へ進学。看護の勉強の傍ら、演劇部で積極的に活動。卒業後、舞台芸術学院で演劇を学ぶ(2020年卒業)。
劇団で演出・俳優として活動する傍ら、鵜山仁氏 (2020年新国立劇場『リチャード 2 世』、東憲司氏 (2021年トム・プロジェクトプロデュース『にんげん日記』の演出助手も務める。また、外部出演にも積極的に取り組んでいる。2020 年さるしばい『二進法の彼女』、2021年劇団ぱすてるからっと『西園寺家の繁用』空間演人『美しすぎない女』出演。

~おうち時間にオススメの一品〜
映画:しあわせの隠れ場所
アニメ:王様ランキング
本:脂肪のかたまり

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

習い事感覚ではじまった演劇キャリア

作井海ねこ症候群についてまずお話しします。
   もともと武蔵野大学の演劇部で先輩や後輩といったメンバーと、何度か企画公演をやっていました。その時のメンバー2人と、2021年8月に旗揚げしました。
   その後、旗揚げ公演で脚本・出演をお願いした舞台芸術学院の同期である坪田を劇団員に迎え、現在の4人体制になりました。

   私自身は、(地元の石川県にある)ミュージカル劇団に入ったのが、"演劇と関わり始めたきっかけ"です。
   小学3年生の時に、その劇団の作品を観て「やりたい」と言ったらしいんです。

   その後、オーディションには2回落ちて、「次に落ちたら演劇やめる」と言っていたんですけど、3回目で受かって、お芝居をはじめられました。
  "誰かに憧れて"とかではなくて、"習い事感覚ではじまった"感じでした。

   石川県では、金沢や能登の方では「無名塾」の演劇場があったりして、わりと盛んなんですけど、私が生まれた小松はそんなに盛んではありませんでした。
   そのミュージカル劇団も、「すごく辺境の地の山奥で上演する」という不思議な劇団でした。

   習い事感覚だったので、高校にあがるとそんなに続ける気も無くなっていました。
   でも、ミュージカル劇団で同期だった子たちが今度は「地元の社会人劇団に入る」ということで、楽しそうだからついていきました。

   一緒に入った同期は練習がキツすぎてすぐにやめちゃいました。
   私だけ残って大人と一緒に演劇を創っていました。
   その頃から「演劇を仕事にしたいな」と思えるようになりました。

   時代ものをやる劇団で、そのときに"殺陣"なんかも経験していました。
   そこの団長さんの先輩にあたる、今も青年座で活躍している俳優さんがたまたまワークショップに来てくれる機会があって、その時に「君、俳優になれるよ」みたいに言われちゃって笑
   それで「そんなに言うんだったら」みたいな笑

   でも「大学は行っておいた方がいいよ」とその方に言われたのと、親のこともあったので、4年間大学に通いました。その後、「もういいでしょ」という事で、その方が講師をしている舞台芸術学院に2年通いました。
   この俳優さんもまさか本当に来るとは思っていなかったみたいで、1番ビックリしていました笑



劇団化は自然のなりゆきで

作井:今までも"(演劇を)やめるタイミング"はたくさんありました。でもその時は、武蔵野大学の看護学部に進んで、たまたま演劇部がある総合大学だったので、演劇部に入りました。

   そこも私が入るタイミングまでは、本当に弱小の部だったんです。2つ上の先輩くらいから、ちょっと頭のおかしな熱い先輩方がいらっしゃって、何人かそのまま俳優や声優になったり、同期で"劇団を創っている子"も他にいたり、段々と活発的になっていきました。

   そこで企画公演ができるんですね。好きな人を集めて、部の公演が無い時期に企画公演を打てる。
   その時に、「私の演出でやりたい」と言ってくれる子が何人かいて、今の劇団員はその中のメンバーでした。

   私自身はそんなに「劇団を立ち上げてやってやる」みたいな気概があんまりなくて笑 
   私は脚本を書けないですし、演出も別に、大学で"誰も演出をやる人がいなくて"というのもありました。
   私は役者しかやる気もなかったんですけど、"演出をやってみたらうまくハマって"みたいなのが(演出家になった)経緯です。

  その時に、「私の作品にもっと出たい」と今の劇団員2人が言ってくれたことから、劇団になった感じですかね。
  「主宰イヤだー」と言い続けているんですけど笑 自然のなりゆきで、気がついたら「次の公演どうしようか」みたいな話になって、「じゃあ、何をする?」みたいな感じで、結局つづけています。

  あと、舞台芸術学院では"2年間外部の公演に関われない"んですけど、私が舞台芸術学院に進学すると決めた時に、2人は待ってくれていました。
  2年待ってもらってから、改めて「1からやろう」と。
  そういう感じで、付き合いは長く深いんですけど、「劇団としては全然まだまだ」という感じですね。

――今回2月に公演の予定だったと思うのですが、それも中止になったり、団体としてはだいぶ慌ただしいというか、大変ですよね。

作井:いろんなことが急速に動き過ぎていて、「ちょっとついていけない」みたいな感じです。でも逆に、「今回(見本市)に向けてゆっくり時間ができたかな」というところでは、良かったかなという感じですかね。「しょうがない」と思いつつ。

   劇団員が4人しかいないので、みんなで意見を出しながら色々決定するんです。
   でも結局、私の発言力が強いみたいで笑 怒られるんです。「圧が強いんだよ」って。
   熱くなっちゃうらしいです。なんだかんだ多分、演劇が好きで。

大事にしているのは”ギャップ”と呼吸

作井:私、グロテスクなものが好きで。寄生虫とか、スプラッター映画とか。
   目黒に「寄生虫博物館」というのがあるんですけど、好きすぎてこの間も行ってきました。いろいろ"ホルマリン漬け"にされていて、テンション上がっていました。
  気持ち悪いじゃないですか? 気持ち悪いのに興奮するんですよね。

   「こいつらもこうやって必死に生きているんだな」みたいな、「なんか人間ってちっぽけだな」みたいな笑
   「キモチワルー」って言いながら見るのがいいですね。好奇心みたいなところだと思うんですけど。
   刺激を求めているところもありますね。人生において刺激を大事にしています笑

   食べ物も、"偏食"というか、好き嫌いはすごく多いんですけど、なんか「枝豆にゼリーをかけて食べたり」とか、「チョコのお寿司」とか、求められたら食べたりできるんですよ。

――サービス精神が旺盛というか。

作井:そうかもですね笑

   また、職業病なのか血を見るのも平気です。
   スプラッター映画もそうですけど、気持ち悪いけど「意外と情がある」というか、なんか影響しあったりとか、"そういうところ"が見えるのがすごく好き」で、「人間的な部分がうかがえるのが好き」ですね。

   楳図かずおの漫画も好きです。「漂流教室」とかもう大好きなんですけど、ああいうのの"表情"を見るとゾクゾクしますね笑 人が必死になっているさまとかも好きです
   「今を必死に生きている」
というか、「今を楽しんで生きている姿」とか、"素直さ"というか。
   「大人になって、いろんなもので隠している部分」があるじゃないですか。それが「自由になっている姿」を見るのがすごく好きですね。

   ただ劇団の作品というのに直接は関わっていなくて、うちの作品は演劇を観たことがない人も楽しめたらいいな、そして観たものがいつか深い意味になったらいいなみたいなところで創作しています。演劇は娯楽であるべきだなと思っています。
  演出するときには、押し付けの演出にならないように心がけています。

   できれば「俳優のいいところだったり、俳優自身が見せないところまで上手く引き出して、作品を形づくっていきたいな」と思っています。
   「"対話"をなるべくして作品を創っていきたいな」と思っています。
   あとは"ギャップ"ですね。"ギャップが見える瞬間"が一番面白い


(海ねこ症候群旗揚げ公演『袖を絞る朝』より、劇中写真)
  

作井:「すごく仲の良い女の子たちが、裏では滅茶苦茶ドロドロしていて、それを吐露して、ぶつけあうシーン」だったり。

   "日常"じゃできないじゃないですか? みんな結局、顔色を見合ってやらない。
   "そういう部分を創る"のが楽しくて。「真面目な人が必死になって、どんどん真面目じゃなくなって、崩れていくさま」だったり、結局みんな"自分が大事"だったり、そういう"人間の弱さが出る部分"

   そんな中で、特に自分が大事だと思うのは”ギャップ””呼吸”です。
   呼吸は恩師やいろんな演出家から教わったことでもあるんですけど、どの演出家を見ても最終的に行き着くのは呼吸なんです。
   "音を変える"とか。それだけを言っちゃうと、小手先で変えられがちなんですけど、そういうことではありません。ただ"体を回す"のをとってみても、"色"が変わってというか、そういう些細な変化をここ数年特に大事にしています。

   伝え方はやっぱり難しい。「自分は現場で見てきているからなんとなくわかる」けど、そこにいなかった俳優たちに伝えるやり方には、とても考えさせられます。
   本人が「今ちょっと変わったかも」みたいな「気づきがあればいいな」と演出をつける時には思っています。

   現場で見てきて、「いい役者さんっていうのは"こだわりが違う"な」と思いますね。例えば「その役の主軸や行動」に対して、「自分が納得がいかない」とか「繋がっていない」時に対する、「疑問の持ち方」や「気づき」みたいなところ。
   その思考をする"深さ"や"時間"というのは、やっぱり「圧倒的に足りていない」と自分自身思っています。なので外の現場から、「引っ張ってこれないかな」「盗もう」といつも思っていますね。

   「語尾の音1つ」からこだわっていて、そういうところはやっぱりステキだなと思う。
   実際それで大きく変わるかといえば、そうじゃないかもしれないんですけど、いいなと思います。「それを"稽古場で創っていく感覚"や経験のある人は違うな」と思っています。

   演出家が一方的に「こうしろよ」というのじゃなくて、対話して、結局言い合って変わらないこともあるんですけど、「そういう時間が作品を創る中で厚みを増していく」とは思っています。"台詞を稽古頭から全部入れてくる"とか、本当に細かいところですけど、「若い自分たちの方が記憶力はいいはずだから、覚えられるはずじゃないか」とか思うと、熱量にも尊敬をします。やっぱりみんな「演劇を本当に好きなんだな」って。


(海ねこ症候群旗揚げ公演『袖を絞る朝』より、劇中写真)


作井:あと今、「わかりやすいもの」というか、「自分の見たいものだけを見れる」みたいな情報社会になっているじゃないですか。
   それはそれでいいと思うんですけど、「人と深く関わる」だとか、「コミュニケーションをとる」ということが、やっぱり減ってきていると思います。

   "TikTok"や"Youtubeのショート動画"とか、「ああいう"わかりやすい笑い"が(創作物への)導入として全然いい」と感じてはいます。
   「演劇って難しいよ」みたいになるのもイヤで、「演出する上で(わかりやすいものを)活用はしたい」と思っています。

   「派手でわかりやすくドンチャン」みたいな、劇団 新感線みたいなのも私は好きです。「お客さんがわかりやすく笑えて泣けて、心がほっとなるストーリー」みたいなところを、"オリジナル作品"を演出する際には目指して創っています。
   
   "古典"を扱う時でも同様で、「エンタメの手法」も大事にしますが、その上で、「そういうところとそうじゃないところを使い分ける」のも大事にしています。

   演劇って長いというか、パッと終わるものではないので、「1つの作品で届けられるもの」をなるべく込めて、「そういう両面を盛り込めていけたらもっと良くなっていけるんじゃないか」と感覚としては思っています。

今回の作品テーマは「どんな自分も愛せるか」

作井:脚本家の坪田から、今回参加する作品について情報をもらってきました。

  "震災"をモチーフにしているんですけど、「どんな自分も愛せるか」みたいなところを描きたいらしくて、主人公がこの30分の話を通して"現実を受け入れて成長していく話"になるらしいです。

  プロットが届いてきていて、2月中に完本を目指すそうです。
  "空想めいた世界のお話"が、"最終的に現実に戻ってくる"みたいなお話にしたいらしいです。

人からの後押しがエネルギー

――創作をするにあたってエンジンになっている部分はどんなものですか?

作井
:(周りの)人ですね。
   いろんな大人と関わってきて、そういう人たちから「背中を押されて今がある」みたいな感じが強くあります。"人の縁"はすごく感じています。

   もともと「演劇を仕事にする気持ちがあんまり無かった」ところからスタートしているのもあって、自分がなんでこんなに演劇を続けているのか時々わかんなくなるんですよ。

   「早くやめてやりたい」「離して」となることもあるんですけど、なんだかんだ離れられなかったり。
   「やった方がいいよ」と言ってくれる先輩方がたくさんいます。それが「協力するよ」「また一緒にやりたい」みたいな言葉だったり。
   そもそものエネルギーとなっているのは、それですかね。「期待に応えなきゃ」と思っています。

  あとは私が負けず嫌いであるという話。舞台を観た後で、「私たちがここでやりたい」みたいな笑



魅力的だったお芝居

作井:ナオフクモト×生田萬 一人“大”芝居企画『WOMEN'S LIFE おんなはおんなである。~まるごとナオフクモト~』という舞台がすごく面白くて衝撃的でした。

   一人芝居なんですけど、"3人の女性のスケッチを基にしている舞台"なんです。
   "自分を初音ミクだと思っているホームレス"だったり、"自分を黒人だと思い込んでいる人"だったり。3人をそれぞれ30分ずつくらいで描いていて、一応話が全部つながっている。

   「いつかナオさんとも一緒に創りたいな」と思っているんです。
   役者としての華もあってパワーもあって、普通に上手で、開始10分くらいで笑っちゃって、笑いの絶えない空間でした。じんわりともするし、じんわりさせといて笑いにもっていくとか、「緩急の付け方がうまいな」と思いました。

   「本当にいるよな、こういう人」と思わせられました。愉快で、「でも実は寂しんじゃないかな」というところとか、頭イっちゃっているようにも見えるんですけど、ちゃんと人だったり、超魅力的なお芝居でした。   

頭に”ちっちゃいみんな”が住んでいる

作井:脚本を読んでいつも、頭の中でキャラクターを動かして創っています。
   まずはそれでやってみて、自分の中である程度の正解というか、「こうなったらいいな」みたいなところは、6割ぐらいの気持ちで決めます。
   その上で、最初に俳優にやってもらう時には「好きにやって」と伝えます。それを見て、「どっちがいいかな」とか「混ぜてみたらどうなるかな」というふうに演出をつけています。

   基本的に私は「ワクワクさん」らしいので笑
   「面白いね、いいね~」「こっち回ってみようか~」みたいな笑

   頭の中に、"ちっちゃいみんな"がいるんですよ。
   ここ(頭)に"ちっちゃいみんな"が住んでいるんですけど、そのキャラクターや役者が、気持ちがのると自由に動いてくれるんですよね。
   それを妄想して1人で笑って、だいたい稽古場では忘れるっていう笑
   でも結果的に、その妄想で下準備したふうに落ち着くことが多いです。


(現場で演出をつける作井)


今回の作品タイトルは「海月」

作井「海月」というタイトルらしいです。
   理由はわからないです。脚本家の坪田が「海月がいいんだよね」しか言わなくて笑 

   今のところ、(クラゲは)劇中には出てこなさそうです。ふわふわしている人たちが、ふわふわしなくなるんじゃないですかね。
   タイトルが(こんなに早く)決まるの珍しいです。

おうち時間にオススメの1品は「しあわせの隠れ場所」etc.

作井「しあわせの隠れ場所」という映画がとてもオススメです。

   「黒人の男の子が白人の家族に拾われてアメフト選手になる実話」を基にした映画なんですけど、泣けます。
   色んな偏見で主人公一家が世間からいろいろバッシングを受けるんですけど、「育ての親、家族に対する"愛"が強い」主人公で、そのお母さんも主人公に対する"愛"が強い。
   「愛のお話」という感じで滅茶苦茶泣けます。

   「"周りが無理"ということに対して、"信じ抜く"素敵さ」も好きで。
   「この中で誰が悪い」とか、みんな初めてのことなのに「対応が悪い」とか「遅い」とか、みんなが言っている時期が最近あったじゃないですか?
   社会全体がぎすぎすしていた。ちょっとみんな、心の余裕が無かったんですかね。そういうときに、「自分なりに愚かにはなりたくないな」と思って。
   そういう面でも、こういう作品を最近よく観ています。

   あとは「王様ランキング」。絵柄だけ見たらキッズアニメみたいな感じで「面白いのか?」って感じだったんですけど、年齢を重ねて涙もろくなったのか、観ると泣いちゃいます。

   "なにも持っていないボッジくん"が一生懸命で、それに対して周りの人たちが自分の行いを、悩み苦しんでいて。
   一方でボッジくんも実は、人に見せないところで泣いていたり、悔しがったりしている。この描き方がとても上手で、"みんな悪者に見えるけど、みんなそれぞれに実はいいヤツ"なんです。
   "それぞれの苦悩や迷いや葛藤"がうまく絡み合っていて、久しぶりに「キャラクターがすごく魅力的に描かれている作品」に出会えました。"ボッジくんの健気さ"に心救われました笑


(海ねこ症候群旗揚げ公演『袖を絞る朝』より、劇中写真)


作井:それと、すごく古い作品なんですけどモーパッサンの「脂肪の塊」です。これは、とても現代の日本っぽくて、手のひら返しがすごいんです。

  簡単に言うと、みんなから馬鹿にされて「脂肪の塊」とあだ名を付けられた、"太った娼婦"がいるんですけど、みんなのためにしたことが裏目に出て、みんなも感謝すべきはずなのに彼女が酷い目にあっちゃうんです。

  「いい時にだけ使って、要らなくなったらポイと捨てる」みたいなのが、「"日本のメディア"を見ているみたいだ」と思いました。
   メディアだけじゃなくて、日本人ってずる賢くもあるから、そういう"汚い部分"って絶対にあるじゃないですか。

   読んだ時にコロナ禍だったということもあって、「みんなもっと他人に優しくなろうよ」みたいな笑

   これを、「モーパッサンの時代からあって、今も同じことで、みんななんとなくイヤな思いをしたり、いい思いをしたり」というのが変わらないんだなと思うと、面白い作品だなと思いました。     

肩肘張らず、気楽に観てほしい

作井:私たち、初めて演劇祭に参加するんです。
   だからすごくワクワクしています。"未知との遭遇"じゃないですけど、知らない団体の人とも関われる機会になるし、"私たちのことを知らないお客様"にも触れてもらえる機会にもなると思っています。
   「肩肘張らず、気楽に観て楽しんでもらえたら、ただただ嬉しい」と思っています。
   楽しませられるように私も頑張ります笑

※次回は明日、ヴァージン砧主宰の香椎響子さんのインタビュー記事です。次回もまたお会いしましょう!


コメント